【板金・溶接業者様必見】ホンダZの革新的な技術に学ぶ、モノづくりの原点
ものづくりだより287号
【はじめに】
皆様、おはようございます。溶接管理技術者の上村昌也です。本日は、少し趣向を変えて私の個人的な思い出から、ものづくりに繋がるお話をさせて頂ければと思います。今回ご紹介するのは、かつて「水中メガネ」という愛称で親しまれた、1970年発売のスペシャリティーカー、HONDA Zです。一見、趣味の車のお話に聞こえるかもしれませんが、この車に込められた技術や設計思想は、私たちが普段取り組んでいる板金加工や溶接の仕事にも通じる、重要な示唆を与えてくれると信じています。
「1970年代に一世を風靡したHONDA Z。特徴的なリアスタイルから『水中メガネ』と呼ばれました。」
【HONDA Z – 革新のDNA】
1970年に登場したHONDA Zは、当時の軽自動車の概念を覆す、魅力的なクーペスタイルのスペシャリティーカーでした。その性能は、単なる移動手段としての車ではなく、乗る人の心を躍らせるものでした。
- 2気筒 OHC 360ccエンジン: 当時の軽自動車としては異例の、高性能なOHC(オーバーヘッドカムシャフト)エンジンを搭載していました。これにより、高回転までスムーズに回り、スポーティーな走行性能を実現していました。
- 水冷式エンジン: それまでの空冷エンジンが主流であった軽自動車において、静粛性と安定した冷却性能を持つ水冷式エンジンを採用したことは、画期的な技術革新でした。これは、より高度な技術への挑戦を示すものであり、私たち板金・溶接業者も常に新しい技術に目を向け、挑戦し続ける姿勢が重要であることを教えてくれます。
- ツインキャブ仕様で36PS: 小排気量ながら、ツインキャブレターを採用することで、36馬力という当時の軽自動車としては高い出力を実現していました。これは、限られたリソースの中で最大限の性能を引き出すという、エンジニアの 創意工夫の賜物と言えるでしょう。私たちも、お客様のニーズに対し、限られた条件の中で最高の品質を提供できるよう、常に技術を磨く必要があります。
- 高回転型エンジン: HONDAのエンジンは、その高回転域での伸びやかなフィーリングが特徴でした。これは、精密な部品加工と組み立て技術によって支えられていました。私たち板金・溶接業者も、精度の高い加工技術と丁寧な組み立てによって、お客様に信頼される製品を提供しなければなりません。
- 5速マニュアルトランスミッション: 当時の軽自動車としては珍しい5速マニュアルトランスミッションを搭載し、エンジンの性能を最大限に引き出し、スポーティーなドライビングプレジャーを提供していました。これは、細部にまでこだわり、妥協しない設計思想の表れと言えるでしょう。
このモデルは輸出仕様のZ600 めっちゃかっこいい
【私の原点 – エヌコロ(N360)との出会い】
少し話が逸れますが、私が高校生の頃、初めて運転した車が、爆発的な人気を誇ったHONDA N360、通称【エヌコロ】でした。友人の兄が所有しており、よく運転させてもらったのですが、その時の感動は今でも忘れられません。
ドアハンドルも縦形状でとてもオシャレ
信じられないほど高回転まで回るエンジンは、まるで車ではないような、生き物のような躍動感がありました。それもそのはず、N360のエンジンは、当時高性能バイクとして名を馳せていたドリームCB450の空冷エンジンとトランスミッションを基本設計として、軽自動車規格に合わせて作り変えられたものだったのです。ボンネットを開けると、バイクのエンジンそのままのような造形に、 なんとも言えない衝撃を受けました。
エヌコロの後継機種として登場したのが、このZ360、通称「水中メガネ」です。クーペスタイルで、そのスタイリングはまさに衝撃的で、子供心にも強烈に惹かれるものがありました。水冷エンジンを搭載し、ツインキャブレター仕様で36PSを叩き出すというスペックも、スペシャリティーカーの名に恥じないものでした。
ボディカラーも、鮮やかなオレンジやグリーンなどが人気で、街で見かけるたびに心を奪われたものです。そして何と言っても、リアガラスハッチを採用し、黒色の樹脂製枠が印象的なリアスタイルは、「水中メガネ」という愛称で呼ばれ、多くの人に愛されました。このデザインは、機能性と美しさを両立させる、優れたインダストリアルデザインの好例と言えるでしょう。
美しいデザイン
【過去のHONDA – 革新への挑戦】
当時のHONDAは、Z360以外にも、HONDA1300、HONDA1300クーペ、S600、シビック、アコード、レジェンド、NSXなど、独創的な車を次々と生み出す、非常に魅力的なメーカーでした。これらの車には、常に新しい技術への挑戦と、他にはないオリジナリティが息づいていました。
しかし、近年、HONDAの四輪車の勢いに陰りが見られるのは、一人の車好きとしても、また技術者としても、非常に残念なことです。かつてのような、「どうしても欲しい!」と思わせる車が少なくなったように感じます。
【まとめ】
今回のブログでは、私の個人的な思い出を通して、HONDA Zという一台の車をご紹介しました。一見、趣味の話に過ぎないと思われるかもしれませんが、HONDA Zには、当時の技術者の情熱、革新への挑戦、そして何よりも、魅力的な製品を生み出そうとする強い意志が込められていました。
私たち板金加工や溶接の業者も、常に新しい技術を取り入れ、お客様に魅力的な製品を提供することで、ビジネスを成長させていく必要があります。HONDA Zの設計思想や、過去のHONDAのモノづくりへの姿勢から学び、私たち自身の仕事に活かしていくことができるのではないでしょうか。
今回の話が、皆様のビジネスの一助となれば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
Web モーターマガジンのサイト
https://web.motormagazine.co.jp/_ct/17287221
株式会社上村製作所
[電話番号]075-982-2931
[お問い合わせはこちら]お問合せページへのリンク
[ホームページURL]https://www.kamimura.co.jp
#アルミ溶接 #修理 #アルミフレーム溶接
◎LINE公式アカウントからのお問い合わせ
著作権及び免責事項:
本記事の内容の詳細については、「免責事項」ページをご確認ください。
Copyright© 2025 KAMIMURA corporation All rights Reserved.
当サイトに関わるあらゆる著作物・知的財産は株式会社上村製作所 上村昌也に帰属します。無断転載禁止
コメント