【WES8103完全ガイド】溶接管理技術者1級の合格戦略・実務での価値・活用メリットを徹底解説
ものづくりだより290号
おはようございます。株式会社上村製作所の上村昌也です。
今回は、私が取得した資格「WES8103 溶接管理技術者1級」について、
・3回連続不合格からの逆転合格ストーリー
・合格に必要だった具体的な勉強法
・資格を実務でどう活かしているか
を、実体験ベースでお伝えします。
これからWES8103の受験を考えている方はもちろん、
「自社に本当に溶接管理技術者が必要なのか?」と迷っている経営者・管理者の方にも、判断材料としてご覧いただける内容です。
1. 3連敗からの逆転合格まで|WES8103挑戦のリアル
■ 1回目:そこそこ勉強して挑戦 → 不合格
最初の受験では、日本溶接協会の4日間講習を受講し、「まあ真面目にやった方やな」と自分でも感じていました。
テキストも一通り読み、演習問題もこなして「これならいけるやろ」と思っていましたが、結果はあっさり不合格。
「そこそこ勉強したつもりやったのに…」というのが正直な感想でした。
■ 2回目:勉強量を増やすも → また不合格
「次こそは受かるように」と勉強量を増やし、過去問も繰り返し解きました。内容もかなり理解が進み、
「今回は手応えあるぞ」と期待して結果を待ちましたが…またも不合格。
「これは簡単な試験ではない」と痛感した瞬間でした。
■ 3回目:油断してほぼ無勉強 → 落ちて当然
2回目の手応えがあったこともあり、「前回で合格点ギリギリやったんちゃうか」と自分に甘くなってしまいました。
3回目は、ほとんど勉強せずに受験してしまい、結果は当然の不合格。
今振り返ると、この「油断」が一番大きな失敗だったと思います。
■ 一度あきらめ、2年後に再チャレンジ
3回連続で不合格となり、さすがに心が折れてしまい、一度受験をあきらめました。
しかしその後、業務上どうしても必要な場面が増え、「ここで逃げていてはあかん」ともう一度奮起。
2年後に、あらためて日本溶接協会の講習から受講し直すことを決意しました。
なお、4日間講習の「面接(口述)試験免除」の有効期限は2年間です。
2年を過ぎると再度講習を受講し直さないといけません。この点は要注意です。
■ 4回目:毎朝2時間×2週間の猛勉強+直前講習で合格!
4回目は完全に腹をくくりました。
出勤前の早朝時間を活用し、毎朝2時間の勉強を2週間以上継続。
最初の10日間ほどは『溶接・接合技術概論』を中心に要点暗記、残りの期間は過去問をひたすら反復しました。
さらに、日本溶接技術センターの「溶接管理技術者評価試験・直前対策講習(2日間)」も受講。
この直前講習と模擬試験が非常に実践的で、「このパターンが本番でも出るだろう」とイメージを固めることができました。
その結果、ようやく4回目の受験で合格。
「真剣に向き合えば、結果はちゃんとついてくる」ということを身をもって体感した試験でした。
2. WES8103とは?溶接管理のスペシャリストを証明する資格
WES8103は、日本溶接協会が認定する「溶接施工・管理・品質保証全般に関する高度な能力」を持つ技術者のための資格です。
単なる座学試験ではなく、実務と結びついた総合力が問われます。
有資格者は、現場や企業内で以下のような役割を担うことができます。
- 溶接施工計画書・WPS(溶接施工要領書)の立案・監修
- 品質管理体制の構築と運用・継続的改善
- 顧客・検査機関・第三者機関への技術説明・是正対応
- 社内の若手教育・技術指導・安全教育
3. なぜWES8103が必要なのか?信頼・品質・安全の「見える化」
近年のモノづくり現場では、溶接は「勘と経験」だけでなく、トレーサビリティとエビデンスが求められる時代になっています。
その中で、WES8103有資格者の配置は、次のような価値をもたらします。
- 品質の安定化: 材料・溶接法・検査まで体系的に理解し、不良率の低減につなげられる
- 事故防止: 溶接欠陥による破損・漏洩事故などのリスクを事前に潰せる
- 顧客信頼: 「有資格者が管理している」という事実が、対外的な安心材料になる
- 入札・認証対応: 公共案件・特定業界では有資格者配置が条件となるケースも多い
4. 上村製作所でのWES8103の活かし方
上村製作所では、私がWES8103溶接管理技術者として、日々次のような業務に携わっています。
- アルミ・チタン・S45Cなど難加工材のTIG溶接条件設定・施工管理
- 研究機関・大学・メーカー開発部門からの試作・検証部品の溶接管理
- 第三者検査・各種試験(PT・RT 等)に備えた記録整備とトレーサビリティ管理
- 「他社では断られた」案件に対する、リスク評価と実現可能性の検討
「こんな案件、どこに相談したらええねん…」
そんな時こそ、溶接管理技術者1級としての知識と、町工場としての現場感覚を両方使ってお役に立てればと考えています。
5. これからWES8103を目指す方へのメッセージ
WES8103は決して「簡単に取れる資格」ではありません。
しかし、しっかりと準備すれば、決して手が届かない試験でもありません。
- 日本溶接協会の4日間講習で全体像をつかむ
- テキスト(溶接・接合技術概論など)を朝の時間帯などで毎日コツコツ読む
- 過去問・模擬試験で「問われ方のクセ」に慣れる
- 直前対策講習を活用し、本番想定のアウトプット練習をする
私自身、3回連続不合格→2年ブランク→4回目で合格という遠回りをしましたが、
振り返れば、この過程で得た知識・経験は、今の仕事に大きく活きています。
「失敗しても、そこで終わりにしなければ、それは経験になる」
WES8103に挑戦される方の一助になれば幸いです。
▶関連記事(溶接管理技術者資格・WES8103の詳しい解説)
よくある質問(FAQ)
Q. WES8103試験の難易度は高いですか?
はい、難易度は高めです。材料・溶接法・非破壊検査・品質保証など、溶接に関する広範な知識が問われます。
実務経験がある方でも、体系立てて勉強し直さないと合格は難しい試験です。
Q. どれくらい勉強すれば合格できますか?
個人差はありますが、私の場合は講習と模擬試験に加えて、毎朝2時間×2週間以上の自習を行いました。
まずはテキストで全体像をつかみ、その後は過去問を繰り返して「出題パターン」に慣れることが合格への近道です。
Q. 不合格になった場合、何度でも受験できますか?
はい、何度でも受験可能です。ただし、4日間講習による口述試験免除の有効期限は2年間です。
有効期限が切れると、再度講習から受け直す必要がありますので、計画的な受験スケジュールをおすすめします。
Q. 講習の修了証明書には有効期限がありますか?
はい、講習修了証明書には発行から2年間の有効期限があります。
この期間内であれば口述試験の免除が受けられますが、期限を過ぎると免除が無効となり、講習を受け直す必要があります。
Q. WES8103は実務で本当に役に立ちますか?
実務で非常に役立ちます。施工条件の妥当性検証、トラブル原因の切り分け、顧客・検査機関への説明など、
「資格で学んだこと」がそのまま現場の説得力につながります。品質保証・安全性を重視する企業ほど効果を感じやすい資格です。
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【WES8103完全解説】溶接管理技術者1級の逆転合格体験と実務活用例|上村製作所
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【まさかの3連敗からの逆転劇】WES8103溶接管理技術者1級に合格するまで
おはようございます。株式会社上村製作所の上村昌也です。
今回は、私が取得したWES8103 溶接管理技術者1級という資格について、その価値と合格までの道のりをお話ししたいと思います。
…と言いつつ、いきなり本音を言うと、私はこの試験に3回も落ちています。
しかも、3回目は「もう受かったやろ」と思って勉強しなかったんです。これが最大の失敗でした。
■ 1回目:そこそこ勉強して挑戦 → 不合格
最初は日本溶接協会の4日間講習を受けて、「まあ真面目にやった方やな」と自分でも思ってました。
しかし、結果はあっけなく不合格。「まぁまあ勉強したのに…」というのが正直な感想です。
■ 2回目:さらに追い込み → またも不合格
次は「よし、今回はちゃんと受かるように」と意気込んで、さらに勉強量を増やしました。
内容も少しわかってきて「今回は手応えあるぞ」と期待しましたが…またしても不合格。
■ 3回目:油断して勉強せず → 落ちて当然
「前回で合格点ギリギリやったんちゃう?」と自分を甘やかして、なんと3回目はほぼ無勉強で受験。
結果は当然のように落ちました。今考えると本当に情けない話です。
■ 一度あきらめ、2年後に再チャレンジ
ここで心が折れてしまい、受験を一度やめてしまいました。
しかし2年後、業務上どうしても必要になり、もう一度日本溶接協会の講習からやり直すことに。
※ちなみに、4日間講習の「面接免除権」は2年で失効します。なので、最初から再受講でした。
■ 4回目:毎朝2時間×2週間の猛勉強+直前講習で合格!
今回は本気でした。出勤前の早朝時間を活用し、毎朝2時間の勉強を2週間以上継続しました。
最初の10日間程は『溶接・接合技術持論』を要点的に暗記し残り期間は過去問をやり続けました。
さらに、日本溶接技術センターで行われた『溶接管理技術者評価試験・直前対策講習(2日間)』も受講。
この講習と模擬試験が非常に実践的で、「これならいける!」という自信につながりました。
おかげさまで、ようやく4回目にして初の合格
「真剣に向き合えば、結果は出る」
そう実感した体験でした。
この記事では、そんなリアルな失敗談も交えつつ、WES8103資格の価値や活用事例について解説していきます。
【WES8103とは】溶接管理のスペシャリストを証明する資格
WES8103とは、日本溶接協会が認定する「溶接に関する施工・管理・品質保証などの高度な能力」を持つ技術者に与えられる資格です。
保有者は以下のような役割を担うことができます:
- 溶接施工計画書の立案・監修
- 品質管理体制の構築と監督
- 顧客や検査機関への技術的説明責任
- 社内の技術教育や品質改善指導
【なぜWES8103が必要なのか】信頼・品質・安全のために
近年のモノづくり現場では「溶接の品質管理」は経営課題のひとつです。
その中でWES8103資格者の配置は以下のような価値をもたらします。
- 品質の安定化:最適な条件設定により不良率低減
- 事故防止:溶接欠陥による破損事故を未然に防止
- 顧客信頼:有資格者の存在が「任せても安心」という評価につながる
- 入札対応:公的案件では有資格者配置が必須なケースも多い
【弊社の強み】資格を活かした提案と現場力
上村製作所では、私がWES8103技術者として、以下のような業務に日々対応しています。
- 難加工材(アルミ、チタン、S45C等)のTIG溶接条件設定
- 研究機関・試作部品の溶接管理と工程監督
- 第三者検査対応(溶接部の記録整備・トレーサビリティ管理)
「こんな案件どこに頼んだらええねん…」
そう悩んだときこそ、ぜひ私たちにご相談ください。
【まとめ】WES8103は技術と信頼の証
WES8103は、単なる肩書ではなく、現場での技術と誠実さを証明する「信頼の証」です。
失敗を重ねた私だからこそ、資格の重みと意味がよく分かります。
「他社で断られた」「難しい条件で溶接したい」そんなご相談、心よりお待ちしております。
【よくある質問|WES8103溶接管理技術者】
Q. WES8103試験の難易度は高いですか?
はい、難易度は高めです。材料・溶接法・非破壊検査・品質保証など広範な知識が問われ、実務経験も必要です。
Q. どれくらい勉強すれば合格できますか?
私の場合は講習と模擬試験に加えて、毎朝2時間×2週間以上の自習を行いました。計画的な積み重ねが鍵です。
Q. 不合格になった場合、何度でも受験できますか?
はい、何回でも受験可能です。ただし口述試験免除の有効期限は2年間です。
Q. 講習を受講した修了証明書に有効期限はありますか?
はい、講習を受講した人には修了証明書が発行されます。この修了証書には発行から2年間の有効期限があり、有効期限を過ぎた修了証書では口述試験の免除を受けることはできません。
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