溶接管理技術者経営ブログ

MIL-A-8625F TYPEⅢ硬質アルマイト対応部品の製作事例|航空機整備向けA6061-T6治具の高精度加工

MIL-A-8625F TYPEⅢ硬質アルマイト対応部品の製作事例|航空機整備向けA6061-T6治具の高精度加工

ものづくりだより515号

おはようございます。株式会社上村製作所の溶接管理技術者、上村昌也です。

今回は、航空機整備会社様からの「MIL規格対応の表面処理を伴う精密部品製作」に関するご相談事例をご紹介します。

MIL-A-8625F TYPEⅢ(硬質アルマイト)は、航空宇宙・防衛分野で使用される高耐摩耗性の表面処理規格で、A6061-T6との組み合わせが一般的な仕様です。

MIL-A-8625F TYPEⅢ(硬質アルマイト)対応部品の製作条件とご相談内容

お客様からのご相談は「ややこしい規格だけど、対応できますか?」というものでした。対象は長期使用を前提とした治具部品で、以下のような条件が求められました。

  • 繰り返し使用しても割れや変形が出にくいこと(材料はA6061-T6指定)
  • 寸法精度が規格レベルで安定していること
  • MIL-A-8625F TYPEⅢ(硬質アルマイト)に適合する表面処理
黒色の硬質アルマイト処理を施した円筒部品。MIL-A-8625F TYPEⅢ対応で高い耐摩耗性と精度を両立。


MIL規格対応の硬質アルマイト部品(黒色仕上げ)

MIL規格対応の硬質アルマイト処理品(黒色仕上げ)

【製作工程】信頼できる協力企業と連携した一貫対応

今回は弊社がプロデュースとして全体を統括し、機械加工と表面処理をそれぞれ専門の協力企業に依頼しました。加工後は弊社で最終検査と外観チェックを行い、寸法・外観・表面硬度ともに規格を満たす品質を確認しています。

Snap-onスパナとの比較でサイズ感が分かる黒色アルマイト部品。精度と仕上げの美しさが際立つ。


工具との比較で大きさと精度を確認

精度とサイズ感を確認できる比較ショット

【品質保証】MIL-A-8625F TYPEⅢ適合の証明書付き

表面処理は、MIL規格対応の処理業者様に依頼し、検査結果報告書と適合証明書を発行していただきました。このように、規格証明が必要な案件でも、弊社ネットワークを活かして一貫対応が可能です。

Snap-onフレアナットレンチと並べた黒色アルマイト部品。均一な表面処理が特徴。


均一な表面仕上げと寸法精度の確認

工具との比較により加工精度を可視化

【まとめ】規格対応×一貫管理で信頼性を確保

お客様の仕様書に忠実に沿いながら、規格適合と耐久性を両立した部品が完成しました。今後も「難しい規格対応でも任せられる製作所」として、品質と信頼性を大切にしてまいります。

▶関連記事(ジュラルミン溶接の実例・技術解説)


【アルミ溶接】A2017ジュラルミン – クラック対策と高品質溶接の秘訣


【ジュラルミンは溶接できるのか?】A2017・A2024溶接 完全ガイド


【超ジュラルミン溶接】A2024の溶接方法と具体的な技術解説

よくある質問(FAQ)

Q. MIL規格のアルマイト処理にも対応していますか?

はい、MIL-A-8625F TYPEⅢ(硬質アルマイト)をはじめ、染色・無染色のいずれにも対応可能です。指定仕様書に基づき、処理・検査・証明書発行まで一括対応いたします。

Q. 検査結果報告書や材料証明書の発行は可能ですか?

はい、各種MIL規格・JIS規格に基づく検査結果報告書・材料証明書・適合証明書の発行が可能です。

Q. 納期はどのくらいかかりますか?

通常は約1か月をいただいておりますが、試作・緊急案件は可能な範囲で短縮対応いたします。

Q. 他社製部品の再アルマイトも可能ですか?

状態により可能です。既存膜の除去が必要な場合は、母材状態を確認のうえ最適なプロセスをご提案します。

Q. MIL-A-8625F TYPEⅢとJISの硬質アルマイトの違いは?

MILは航空宇宙向け規格で膜厚・硬度・耐摩耗性の基準が厳密です。JISは一般工業向けで要求範囲が広く、用途に応じて選択します。

Q. A6061-T6材の硬質アルマイトで注意すべき点は?

寸法変化が数十μm発生するため、機械加工と処理工程の調整が必要です。当社では規格準拠の管理値で処理しています。

Q. MIL規格の証明書発行には準備が必要ですか?

特別な準備は不要です。図面と仕様書をご提示いただくだけで、検査書・適合証明書をセットで納品いたします。

「規格対応で困っている」「品質証明が必要」
そんな案件もぜひ当社にご相談ください。


お問い合わせはこちら

またはLINEからもご相談いただけます


LINEで相談する

LINE公式アカウントQRコード

本記事の内容の詳細については、「免責事項」ページをご確認ください。

Copyright© 2025 KAMIMURA corporation All Rights Reserved.
当サイトに関わるあらゆる著作物・知的財産は株式会社上村製作所 上村昌也に帰属します。無断転載禁止

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

TOP