Kawasaki ZX-10R
ものづくりだより316号
おはようございます。溶接管理技術者の上村昌也です。
ジョナサン・レイの活躍でチャンピオンマシーンに君臨している
Kawasaki Ninja ZX-10R そんなオートバイを預かり
スイグアームスタンドフックを補修溶接しました。
フックを縁石にぶつけられたのでクラックが入ったそうで
補修溶接の依頼を受けました。
工法
・アルミTig溶接
・新聞紙でホイル等を養生します。
・塗装をリムバーで剥がします。
・クラックの入った部材及びスイングアームをきれいにクリーニング
・クレーンで後輪をつり上げます。
・部材を予熱します。その方が低い電流で溶接ができるので
アンダーカット等の欠陥が発生がしにくくなります。
・Tig溶接にて慎重に作業を進めます。
パラメーター
電源装置:Panasonic YC-300BP4 AC
溶接電流: 180A
交流周波数:200Hz
溶加棒: A5356BY φ1.6 2.4
電極: 純タングステン
シールドガス : Ar
予熱 : 150℃
まとめ
クラックの入ったところが、下部に取り付けられているので
後部をリフトすることが必要でした。
スリングでバランスを取りながらホイストでつり上げられたので
作業はやりやすくなりました。
スイグアームはアルミ鋳物で造られています。
鋳物は溶接条件が案外良くないのです。
きれいにつきませんし、ちょっとした慣れが必要です。
しかし予熱を行うことでかなり条件が良くなりまして
作業がしやすくなります。やってみれば直ぐに実感できます。
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