「運」と「意地」でつかんだIWP|希少資格と教育治具に込めた技術者の真意
ものづくりだより524号(社長コラム)
おはようございます。株式会社上村製作所の上村昌也です。
「上村製作所には、なぜか溶接工学の専門家がいる」
最近、大手メーカーの設計者様から、そう驚かれることが増えました。
私は現在、国際溶接プラクティショナー(IWP)という資格を保有しています。
これは、日本溶接協会の公式サイトにも記載されている、IIW(国際溶接学会)が認定する世界基準の資格です。
「すごいですね、狙って取ったんですか?」と聞かれますが、正直に言えば半分は「偶然」です。
しかし、もう半分は、若き日の私が貫いた「職人の意地」でした。
本記事では、私がこの希少な資格を手にできた経緯と、そこから開発した教育用治具の物語をお届けします。
数字で見る「0.1%」の証明
まず、この資格がいかに特異なものであるか、客観的なデータでご説明します。
日本溶接協会の公開資料によれば、日本国内のIWP取得者数はわずか315人です。
👉 出典:日本溶接協会 IWP案内ページ
一方、日本の溶接業界の規模は以下の通りです:
- 国内の溶接従事者数:約16万4,000人(出典:政府統計e-Stat 職業分類「金属溶接・溶断従事者」)
- JIS溶接技能資格の保有件数:約19万8,000件(日本溶接協会|評価試験統計)
つまり、日本に数多くいる溶接技術者の中でも、IWP保有者の割合はおよそ0.1%。
1,000人のうち、わずか1人いるかいないかの水準です。
さらに、現在は国内での新規取得ルートが事実上閉ざされており、今後増えることのない「幻の資格」となっています。
「仕事には必要ない」と言われた、専門級への挑戦
では、なぜ私がその0.1%に入れたのか。
それは、受験資格の一つである「JIS溶接技能者評価試験の3種目(基本級+専門級2種)」を、たまたま保有していたからでした。
通常の町工場業務であれば、下向き姿勢の「基本級」だけで十分です。
わざわざ立向・横向といった「専門級」を取る必要はなく、「意味ないぞ」「給料は変わらんぞ」と周囲からも言われました。
それでも私は、「仕事で使うかどうかではなく、溶接屋として“できるかどうか”が大事だ」と思い、意地で専門級を追加取得しました。
「偶然」は、準備した者にしか訪れない
その後、日本国内でIWPの試験が開催されることになりました。
条件は、「JIS溶接評価試験を3種目以上取得していること」。
多くの職人が条件を満たせず涙を飲む中、私は“たまたま”その要件を満たしていたのです。
ローマの哲学者セネカの言葉に、
「幸運とは、準備が機会に出会ったときに起こるもの」という名言があります。
私の「意地」という準備が、世界基準への扉を開いてくれました。
苦労したからこそ生まれた「教育用治具」
とはいえ、専門級の技能習得は決して簡単ではありませんでした。
感覚的なコツや身体の使い方など、現場での経験が求められる世界です。
そこで私は、「自分がした苦労を、次の世代にさせない」という思いから、オリジナルの溶接検定用治具を開発しました。
なお、当社が開発した溶接検定用治具(例:TN-F バックシールド治具)については、下記で詳しく紹介しています。
・検定治具(TN-F)紹介ページ(自社サイト)
・STORES:TN-F バックシールド治具(購入ページ)
難しい姿勢や条件を再現し、短時間で実践的な技能が身につくよう工夫を重ねた治具です。
私が意地で体得した“暗黙知”を、“形式知=道具”として具現化したものです。
「技能」×「技術」=製造設備を持つ技術コンサルタント
IWPという資格は、ただの証明書ではありません。
「職人の意地」=技能(Skill)と、「指導の論理」=技術(Technology)の両立の証です。
- 技能(Skill):誰に何を言われても磨き続けた、現場の腕
- 技術(Technology):その苦労を治具へと昇華させた、工学的アプローチ
この2つを融合させているからこそ、私はこう名乗っています。
「板金技術と溶接工学が融合する。製造設備を持つ技術コンサルタント」
【最後に】難題を抱える設計者様へ
私が持つこの資格や経験は、単に自慢するためのものではありません。
「他社で断られた」「溶接割れが解決しない」「図面通りに作れない」
そんな難題に直面する設計者様のために活かすものです。
もしお困りのことがあれば、ぜひ一度ご相談ください。
理論と実践、そして少しの「意地」をもって、最適な解決策をご提案いたします。
よくある質問(FAQ)
Q1. IWPとはどのような資格ですか?
IWP(International Welding Practitioner)は、国際溶接学会(IIW)が認定する国際資格で、溶接施工に関する実務能力と国際規格への理解を有する技術者であることを示します。日本国内では日本溶接協会(JWES)が認証機関となっていました。
Q2. 現在、日本国内でIWP資格を取得することは可能ですか?
現在、日本溶接協会によるIWP資格の新規受講募集は行われていません。公式サイトでも申込案内は掲載されておらず、事実上、国内での取得は難しい状況です。ただし、過去に取得された方の資格は有効とされています。
難題にこそ、意地と論理で応えます。
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溶接管理技術者1級
保有資格IIW IWP
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