溶接

無酸素銅溶接の法則(厚物と薄板)

ものづくりだより266号
おはようございます。溶接管理技術者の上村昌也です。

今日は無酸素銅(C1020)溶接品のご案内です。

無酸素銅(C1020)溶接技術

今回もウェッブからの新しいお客様からの受注です。
と言いましてもこちらはモックアップで溶接条件のデータ取りのための
試験品です。

実機はC1020(無酸素銅) T=12mm C1220(りん脱酸銅)との組み合わせです。
各パイプは板厚が1.5mmと薄く12mmの無酸素銅との差が結構あるので
作業にはかなり慎重になり、高真空製品となるので取扱も注意が必要です。

最終試験のゴールはヘリウムリークテスト の規定値に合格する事です。

材料

無酸素銅C1020 T=12mm T=1.5mm

技法

ご存知のように銅は熱伝導率がすごく高く鋼の8倍です。すなわち
局所加熱であるTig溶接では
熱がすぐに奪われビートが形成されません。
そこで全体にバーナーで予熱にて温度を上げ
十分に溶け込みが得られる
ように母材の温度を上げていきます。予熱温度は450℃前後です。

溶接パラメータ

溶接機             Panasonic YC300-BP4
溶接電流          210A
タングステン レア・アース 2.4mm 3.2mm
シールドガス   He+Ar
溶加棒            NCU-R 1.2mm 2.0mm
予熱     450℃
溶接施工要領書(WPS)に記載済み

ヘリウムリークテスト

先ずはエアーにて水没試験から始めます。各部を目視にて気泡がないか
チェックして行きます。この作業では慎重に丁寧に各部を見て行きます。
問題がない様であれば、いよいよヘリウムリークディデクタ
にてリークチェックを実施します。

まとめ

モックアップでは材料の大きさが小さいので直ぐに熱は伝わったため
溶接も比較的スムーズにできました。

この二週間後、実機を製作しました。想像していた以上に溶接は
難易度が上がりました。

思った以上に溶けてくれないです。電流値を上げれが良いのですが、
アンダーカットや
ブローホールが困るので、そこは低めの電流で
作業を進めて行きました。

・予熱を450℃前後で実施する事
・高電流で溶接しない事

これを守れば比較的スムースに溶接作業ができます。

実機は内面を洗浄後ヘリウムリークテストを実施し規定値まで到達し
ヘリウム検知なして試験を合格しました。

最終的には、酸洗いをしまして焼け等を綺麗に除去しました。
溶接のままですと真っ黒けに変色しています。

無酸素銅溶接C1020溶接の法則

高価な無酸素銅溶接C1020(板金加工)

 

 

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