溶接

【不可能を可能に】0.1mm極薄ステンレス溶接、挑戦と成功の全記録

【不可能を可能に】0.1mm極薄ステンレス溶接、挑戦と成功の全記録

ものづくりだより355号

【はじめに】
おはようございます。溶接管理技術者の上村昌也です。 今回は、SUS304 0.1mmという極薄ステンレス板の溶接に挑戦し、成功させた事例をご紹介します。この挑戦は、当社の技術力を示すだけでなく、お客様のいかなるニーズにも応えようとする姿勢の証でもあります。

【極薄ステンレス溶接への挑戦】
20年ほど前、ホームページから「SUS304 0.1mm板を突き合わせで溶接できないか」というお問い合わせをいただきました。当時、デジタル溶接機がなく、インバーター溶接機では最小電流が10A程度であったため、0.1mmの薄板を溶接することは非常に困難でした。しかし、お客様のニーズに応えたいという強い思いから、この難題に挑戦することを決意しました。

【マイクロTIG溶接機との出会い】
様々な情報を調査した結果、ダイヘン製のマイクロTIG溶接機であれば、0.1mmの薄板溶接が可能ではないかと考えました。この溶接機は、1Aからアークを出すことができ、薄板溶接に最適です。知り合いの協力を得て、ダイヘンさんからマイクロTIG溶接機をお借りすることができました。

【試行錯誤と技術の確立】
しかし、マイクロTIG溶接機を入手したものの、最初の試みは困難を極めました。数アンペアで溶接を試みると、すぐに母材が破れてしまうのです。そこから、試行錯誤の日々が始まりました。溶接条件、突き合わせのクリアランス、溶接速度など、あらゆる要素を調整し、何度も実験を繰り返しました。そしてついに、母材を破らずに70mmの溶接長を確保することに成功したのです。

【溶接成功のポイント】
この挑戦を通して、極薄ステンレス板の溶接において、以下の点が重要であることを学びました。

  • 突き合わせのクリアランスを板厚の10%以下に厳密に管理すること
  • 溶接線を外さないように、集中して溶接を行うこと 特に、突き合わせのクリアランスは、0.1mmという極薄の板厚では、ほとんど目視できないほどのわずかな隙間です。しかし、この精度が溶接の成否を大きく左右します。

 

 

sus304 t=0.1mm

繰り返しチャレンンジするも‥

【まとめ】
今回の挑戦を通して、極薄ステンレス板の溶接技術を確立することができました。この技術は、精密機器、医療機器、電子部品など、高度な技術を要する分野で活かすことができます。今後も、お客様の多様なニーズに応えるため、常に技術力の向上に努めてまいります。薄板ステンレス溶接に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。

参考

マイクロティグ

 

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