S45CとSUS303のTIG溶接
ものづくりだより465号
おはようございます。株式会社上村製作所 上村昌也です。
今回はS45CとSUS303の溶接についての事例紹介です。
どちらも溶接には危険な材質です。危険と言っても
アーク溶接をすると爆発とかそのようなことはありません。
溶接後手入れ次第で割れが生じるということです。
順次解説していきましょう。
まずはS45Cです。この金属は通常の軟鋼のように溶接を
行いますと溶接金属が急冷されてすぐに割れが生じます。
よって溶接金属が急冷されないように予熱及び後熱を実施して
ゆっくりと温度を下げていく事で問題なく欠陥は解消されます。
邪魔くさいといって予熱をしなければタック溶接で溶接部が
クラックがすぐに入りますよ。
続いてSUS303です。
今回なぜこの金属を使ったというと機械加工屋さんが
切削性が良いのでよく好まれて使われます。
理由はリン及び硫黄が304より多く含有しているために
切削性が良いという事です。
ですがリンと硫黄は溶接にとって大敵です。
SUS304でも硫黄(サルファー)の含有量が少ないのを狙って
購入されているところもあるようです。特に舐め付けを行う
薄肉管は顕著に現れる様です。
今回はS45C部分を予熱及び後熱で処理を行いSUS303部分は
TG-S309MoLにて溶接施工いたしました。
翌日確認しましたが欠陥なく出来上がっていました。
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