溶接管理技術者経営ブログ

【完全解説】S45C溶接棒の選び方と推奨銘柄

【S45Cに適したTIG溶接棒(フィラー材)の選び方】

ものづくりだより506号

おはようございます。溶接管理技術者の上村昌也です。

弊社・上村製作所では、TIG溶接をメインに施工しており、S45Cなどの中炭素鋼にも多数の対応実績があります。
S45Cは生材で引張強さ約570~700MPaと高強度を誇りますが、その反面、溶接割れが発生しやすいという難しさがあります。
そこで弊社では、以下の技術を駆使して高品質な溶接を実現しています。

【予熱の徹底】

溶接前に母材を200℃程度に予熱することで、溶接後の急激な温度低下を防ぎ、割れのリスクを大幅に低減できます。
当社の技術者は、ガスバーナーなどを用いて母材全体を均一に加熱し、温度計で正確に確認しながら作業を行います。

【低入熱TIG溶接】

TIG溶接とパルス制御を組み合わせることで、入熱を最小限に抑え、母材への熱影響を低減します。
特に厚板の溶接では、通常の方法では過剰な熱が加わり割れが発生しやすいですが、パルスTIG溶接を用いることで、熱影響を抑えつつ、必要な溶け込みを確保します。

【最適な溶加棒の選定】

材料の特性と使用条件に合わせて、最適な溶加棒を選定することが不可欠です。
強度が必要な場合には神戸製鋼 TG-S80AMを、比較的強度が不要な場合にはTG-S50を選択するなど、豊富な知識と経験に基づいた選定を行っています。

【後熱処理による割れ防止】

溶接後には後熱処理(200~300℃での保持)を実施することで、溶接部に残留した応力を緩和し、水素を拡散させて割れを防ぎます。
特に中炭素鋼のS45Cでは、後熱処理を行うかどうかで溶接品質に大きな差が出ます。
弊社では施工内容に応じて適切な温度管理を行い、安定した品質を確保しています。

弊社推奨の溶接棒:神戸製鋼 TG-S80AM

上村製作所では、S45CのTIG溶接に神戸製鋼 TG-S80AMを採用しています。
このフィラー材は80kgf/mm²級(約780MPaクラス)の高強度鋼に対応し、母材S45Cの570~700MPaという強度にマッチします。
靭性・耐割れ性にも優れており、厚板から重要保安部品まで幅広く対応可能です。

  • 母材強度に見合った高強度を確保
  • 低水素化設計により割れに強い
  • パルスTIG溶接+予熱・後熱処理で安定した仕上がり

なお、S45Cは高強度ゆえに溶接割れが発生しやすい材料です。
割れの原因や具体的な防止策については、以下の記事で詳しく解説しています。
S45C溶接割れの原因と防止策

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