【2023年】京都銀行新春経済講演会レポート – 日本経済の展望と企業戦略
ものづくりだより412号
おはようございます溶接管理技術者の上村昌也です。
2013年1月13日みやこめっせで開催された京都銀行の新春経済講演会に参加しました。
3年ぶりのリアル開催となった今回は、オンラインでも視聴できる
ハイブリッド形式での開催となりました。
講演会の登壇者は、京都銀行の土井頭取、東京大学名誉教授の伊藤元重氏、
JR西日本の長谷川一明社長という豪華な顔ぶれです。
第一部:伊藤元重氏「2023年 日本経済の展望」
伊藤先生は、金利・物価・賃金・為替レートで20年ぶりの大きな変化が
起こっていると指摘されました。長らく続いたデフレや円高により、
企業は安く作れる国に物を作らせて日本で組み立て海外に
販売していくビジネスモデルを続けてきましたが、
為替によりそのような努力も一瞬にして無駄にしてしまったと述べられました。
このような変化が起こった理由として、以下の4つの要因が挙げられました。
- コロナ危機からの反動需要
- 労働力不足
- 長引くウクライナ情勢
- 資源、エネルギー、食料
これらの要因が重なり、デフレからインフレへと変化していったとのことです。
特に賃金については、今後上昇していくことが予想され、日本の大学新卒初任給が
ニューヨークの最低賃金よりも低いという不名誉な状況を是正する必要があると述べられました。
今後の日本経済については、長期停滞には戻らないものの、安定から不可実性に
変わることは確かだと言及されました。
今後企業に求められること
伊藤先生は、今後の企業に求められることとして、以下の4点を挙げられました。
- 円高時代のビジネスモデル、円安時代のビジネスモデル
- 価格破壊ではなく価値創造
- 賃金が上げれるビジネスモデル
- GXとDX
GX(グリーントランスフォーメーション)については、気候変動に背を向ける企業は
生き残れないと述べられ、気候変動に膨大な投資が見込めるので変化に対応することが
重要であると強調されました。
最後に、「何か課題があったらデジタルで解決できないか考えること」
というメッセージが送られました。
第二部:JR西日本 長谷川一明社長
長谷川社長は、今年の正月にお客様を大阪駅の改札で迎えた際、
以前の顔つきに変わってきたことに気づいたそうです。
これは、コロナ禍で帰省を控えていた人々が、今年は経済の回復とともに
帰省するようになったことが要因だと考えられます。
JR西日本は、昨年は大幅な赤字でしたが、今年は少し黒字になるとのことで、
経営状況が改善していることが示されました。
まとめ
今回の講演会では、日本経済の現状と今後の展望、そして企業がどのように
対応していくべきかについて、示唆に富む内容でした。特に、GXとDXの
重要性については、今後の企業戦略を考える上で、非常に重要な視点になると思いました。
参考
ジェトロ
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