溶接管理技術者経営ブログ

【製作治具の溶接事例】SS400材をターンテーブルで精密溶接|再発クラック対策も対応可

【製作治具の溶接事例】SS400材をターンテーブルで精密溶接|再発クラック対策も対応可

ものづくりだより514号

こんにちは。株式会社上村製作所の溶接管理技術者、上村昌也です。

今回は、製造現場で使う「製作治具の溶接」について、機械加工業者様からご相談をいただいた事例をご紹介します。

【ご相談内容】「治具をしっかり溶接して長く使いたい」

ご依頼主は、普段から精密部品の加工をされている機械屋さん。作業工程で繰り返し使用する治具の溶接強度・耐久性について、こんなお悩みをお持ちでした。

  • 繰り返し使うため、割れや変形が出にくいようにしてほしい
  • 過去に使っていた治具が、使用中にクラック(割れ)を起こした
  • 長期使用に耐えるよう、しっかりとした溶接をお願いしたい

【原因分析】SS400は一般材だけど油断禁物

今回の材料は、一般構造用鋼であるSS400。広く使われている素材ですが、注意点もあります。

特に、

  • 厚みがある部材
  • 電流が高すぎる

このような条件では、熱影響部にクラックが発生するリスクが高まります。

【解決策】ターンテーブルで安定回転しながら精密溶接

上村製作所では、今回のような案件にはターンテーブル(回転治具)を使用して対応します。ワークを安定して回転させながら、以下のようなポイントに注意して溶接しました:

  • 電流値は経験値で調整(高すぎず低すぎず)
  • 溶加棒は太めの2.4mmを採用し、プールにしっかり押し込む
  • 溶接中の温度変化・応力のかかり方に注意を払いながら作業

    SS400-2

    溶接前のSS400治具部品。ターンテーブルに正確にセットされた状態。

SS400-2

SS400材の治具をターンテーブルでTIG溶接。クラックのない美しいビード

結果として、クラックの発生はゼロ。ご依頼主からも「これなら安心して使えそう」との高評価をいただきました。

【まとめ】再発クラックを防ぐには「溶接の工夫」がカギ

製作治具は「使い込まれる」ことが前提の道具です。だからこそ、溶接には耐久性と実用性が求められます。当社では、材料や用途に応じて最適な加工を提案し、トラブルの再発を防ぐことを第一に考えています。

SS400製治具の溶接でクラックにお困りの方へ。
再発リスクを抑えるプロの溶接で、長く使える治具をご提供します。

▶関連記事(SS400製作治具の溶接・クラック再発防止・ターンテーブル精密溶接)

【よくあるご質問(FAQ)】

Q. SS400の溶接でクラックが起きやすいのはなぜですか?

SS400は一般構造用鋼で扱いやすい素材ですが、板厚が厚い場合や溶接電流が高すぎる場合に、熱影響部で割れが発生しやすくなります。
上村製作所では、電流調整と溶加棒径の最適化により再発を防いでいます。

Q. ターンテーブルを使うメリットは何ですか?

溶接中にワークを安定して回転させることで、溶け込みの均一化と歪みの低減が可能になります。
同じ角度・速度で熱を与えるため、クラックの発生を抑えた美しいビードに仕上がります。

Q. 工場への持ち込みと宅配、どちらも対応可能ですか?

はい、どちらにも対応しています。宅配の場合は、梱包方法をご案内いたしますのでお気軽にご相談ください。
お急ぎの場合は、納期優先でスケジュールを調整いたします。

お問い合わせはこちら

▼ LINEからも簡単にご相談いただけます!

友だち追加

LINE公式アカウントQRコード

本記事の内容の詳細については、「免責事項」ページをご確認ください。

Copyright© 2025 KAMIMURA corporation All rights Reserved.
当サイトに関わるあらゆる著作物・知的財産は株式会社上村製作所 上村昌也に帰属します。無断転載禁止

#アルミ溶接 #修理 #アルミフレーム溶接 #少人数板金 #京都板金

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

TOP