溶接管理技術者経営ブログ

アルミ鋳物の気密溶接はできますか?|少人数町工場の対応方針と検査体制

アルミ鋳物の気密溶接はできますか?|少人数町工場の対応方針と検査体制

ものづくりだより516号
おはようございます。京都の溶接管理技術者、上村昌也です。

先日、ある企業様から「アルミ鋳物の気密溶接を月400個お願いできないか」というお問い合わせをいただきました。ありがたいご相談ではありますが、結論から申し上げると弊社では量産対応はできません。

気密溶接という要求の重さ

アルミ鋳物は気孔(ピンホール)や巣の発生が避けられず、そのうえで気密性を確保する溶接は高度な技術が必要です。量産で品質を安定させるには、専用治具・検査体制・複数ラインを整備するなど、工場規模の仕組みづくりが欠かせません。

私どもは少人数で運営する会社です。そのため「量産工場のような体制」を持つことはできません。無理をして引き受ければ品質や納期に影響が出てしまいます。だからこそ「量産は行わない」という方針を明確にしています。

私たちが力を発揮できる領域

  • 試作段階の気密溶接(設計検証や実験用サンプル)
  • 研究開発部品の加工(性能評価や試験用途)
  • 単品の改造や修理(他社では敬遠されがちな難材や特殊形状)

「少量だけれど確実に仕上げたい」「まずは試作品で検証したい」――こうした場面でお役に立てるのが弊社の特徴です。


アルミ鋳物ケースの気密溶接補修後の仕上がり

鋳物ケースの溶接補修完了後。気密性を確保しつつ、強度と仕上がりを両立させた例です。

今回のお問い合わせから

今回の件で改めて感じたのは、アルミ鋳物の気密溶接で困っている企業が多いということです。量産を担う工場がある一方で、その前段階や特殊案件を担える町工場が必要とされています。そこに私たちの存在意義があります。

よくあるご質問(FAQ)

Q. 月数百個単位の量産はお願いできますか?

申し訳ございません。弊社は少人数体制のため、量産は承っておりません。
その代わりに、試作・研究開発段階・単品加工など小ロットでの対応に特化しています。

Q. 気密溶接には対応していますか?

はい、試作品や少量品であれば気密溶接に対応可能です。
品質を安定させるために一点一点丁寧に仕上げています。

Q. 検査体制はどうなっていますか?

品質管理担当者が非破壊検査(浸透探傷試験)を実施し、さらに空圧または水圧による気密試験を行っています。
また、水圧や空圧が悪影響を及ぼす可能性がある場合には、窒素ガスを用いた試験で対応する体制を整えています。

Q. どのような依頼が得意ですか?

試作部品の立ち上げや研究開発用部材、他社で断られる難材や特殊形状の単品加工を得意としています。

まとめ

アルミ鋳物の気密溶接は難易度が高い分野ですが、弊社は「少量・高付加価値案件」にこそ力を発揮できると考えています。
もし「どこに頼んでも断られて困っている」という案件がありましたら、ぜひ一度ご相談ください。

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「他社では断られた」「難しいとされている」――
そんな案件ほど、ぜひ当社にお任せください。
現場の課題を一緒に解決していきましょう。

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