溶接管理技術者経営ブログ

【環境に優しい切断技術】ハイドロカットは本当に代替できるのか|安全性・切断性能・用途適性を整理

【環境に優しい切断技術】ハイドロカットは本当に代替できるのか|安全性・切断性能・用途適性を整理

ものづくりだより390号
おはようございます。溶接管理技術者の上村昌也です。
国際ウェルディングショー2022にて、岩谷産業さんのブースで「ハイドロカット」の提案を受けました。
アセチレンユーザーとして、実際に乗り換え可能なのか、悩み・原因・解決策の観点で整理します。

1. 読者の悩み:アセチレンの安全性と代替ガスへの不安

  • アセチレンは可燃性が高く、取り扱いに不安がある
  • 新しいガス(ハイドロカット)に乗り換える価値が本当にあるのか判断しづらい
  • 切断性能が落ちないか心配
  • アルミ予熱や歪み取りが対応できるのか不安

2. 原因:ガス特性の違いにより、用途適性が明確でない

ハイドロカットは水素主体のガスで、アセチレンより安全性が高いとされています。
しかし、アセチレン特有の「輻射熱」「強い火力」が必要な用途では、単純に置き換えができるかが曖昧です。
そのため、現場では「安全性は理解できるが、用途適性が読めない」という状況が生まれます。

3. 解決策:ハイドロカットの特徴と適用範囲を正しく理解する

(1)安全性は確かに高い

水素主体のため、アセチレンよりも爆発範囲が狭く、取り扱いリスクが低減します。
ガスボンベの保管環境を整えにくい小規模工場にとってはプラス要素です。

(2)切断性能は“用途次第”

岩谷産業さんの担当者によると、新製品では切断効率が向上しているとのこと。
ただし、実際に切断業者さんへ確認したところ「切れ味はアセチレンより劣る」という意見もありました。
これはガス特性の違いによるもので、厚板切断など高火力が必要な用途には向かない可能性があります。

(3)アルミ予熱・歪み取りでは課題あり

当社ではアルミの予熱や溶接後の歪み取りにアセチレンを使用しています。
輻射熱が少ないハイドロカットでは、この用途での代替は難しいと判断しています。

(4)今後の改善に期待できる分野

ハイドロカットの新製品では制御性・切断効率が向上しつつあり、安全性を重視する工場にとって魅力はあります。
用途に応じて併用するという選択も現実的です。

4. 上村製作所としての結論:完全乗り換えではなく“適材適所”

ハイドロカットは安全性が高く扱いやすい一方、アセチレンの火力が必要な作業も多く残っています。
当社としては「全てを置き換える」のではなく、作業内容に応じて使い分ける方針が最適と考えています。

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FAQ

Q. ハイドロカットはアセチレンの完全代替になりますか?

用途によります。切断・安全性ではメリットがありますが、予熱・歪み取りではアセチレンの方が優れています。

Q. 厚板切断は対応できますか?

新型では性能向上が見られますが、高火力が必要な厚板切断ではアセチレンの方が安定します。

免責事項

本記事は展示会で得た情報と、当社の実務経験をもとに一般的な解説を行うものです。
特定のメーカーの優劣を示すものではありません。ガス選定は用途・安全基準に基づき判断してください。

豊富な実績と確かな技術で、難易度の高いご依頼にも対応可能です。
まずは貴社のお悩みやご希望をお聞かせください。


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