【徹底比較】ダイヘン vs パナソニック|プロが選ぶTIG溶接機の最適解
ものづくりだより70号
【はじめに】
おはようございます。溶接管理技術者の上村昌也です。今回は、TIG溶接機の二大メーカー、ダイヘンとパナソニックについて、私の経験に基づいた比較と考察をお伝えします。読者の皆様が最適なTIG溶接機を選び、高品質な溶接を実現するための一助となれば幸いです。
【TIG溶接機の制御方式を徹底解説】
- サイリスタ制御:最も古い方式で、熟練の技量が必要です。アークスタートは他機種に比べると劣ります。
- インバータ制御:1980年代後半に登場した画期的な方式。アークスタート性に優れ、ダイヘンのインバータエレコンは名機として知られています。
- デジタル制御:最新式で、熟練溶接士のノウハウを形式知化。弊社もデジタル化を進めており、より高度な溶接技術を提供できるようになりました。

デジタル制御により、より精密な溶接が可能になりました。
【ダイヘン製TIG溶接機の強みと弱み】
ダイヘン製TIG溶接機は、アークが広がる傾向があり、薄板溶接に適しています。特に、インバータエレコン時代の性能は他社を寄せ付けないものでした。一方で、アルミ厚板溶接では、パナソニック製に比べて溶け込みが弱いと感じる場合があります。また、筐体がコンパクトなため、高電流域ではオーバーヒートに注意が必要です。ただし、最新機種ではこの点が改善されています。
【パナソニック製TIG溶接機の強みと弱み】
パナソニック製TIG溶接機は、アークが集中し、アルミ厚板溶接に適しています。筐体デザインや操作パネルに優れており、最新機種では交流SPTIGモードや直流1000Hzを搭載するなど、高性能化が進んでいます。一方で、ステンレス薄板では溶け込みすぎに注意が必要です。
【プロの視点!両メーカーの比較と考察】
両メーカーとも特性があり、溶接機の癖があります。デジタル制御になり、どちらも高性能になりました。プロが使うならこの2大メーカーから選ぶのが間違いないでしょう。溶材商のルートやメーカーの好みで選ぶ傾向があります。パナソニックは本社事業部に格上げされ、本気度が感じられます。ダイヘンは溶接学会活動に熱心で、論文数も多いです。溶材メーカーやガス製造会社はダイヘン製を好んで販売する傾向があります。
【最新情報!TIG溶接機の進化】
最近では、フローニアス社製マジックウェーブ230iのデモを体験しました。フローニアス社製CMT溶接機は、低入熱で高品質な溶接が可能であり、今後の動向が注目されます。
【弊社のTIG溶接技術】
2017年の記事から更に技術が向上し、様々なTIG溶接機を使いこなし、高品質な溶接を提供しています。お客様のニーズに合わせた最適な溶接を提供いたしますので、お気軽にご相談ください。
【番外編】最新トレンド:フロニウス製CMT溶接機
ダイヘン・パナソニックの2大メーカーは、プロが選ぶ王道のTIG溶接機です。一方で、近年業界で注目を集めているのがフロニウス社製CMT(コールドメタルトランスファー)溶接機です。
CMT方式は、ワイヤー送給と波形制御を組み合わせ、低入熱でスパッタを抑制した高品質溶接を実現します。母材の変形を抑えながら美しいビード形成が可能で、自動車メーカーを中心に導入が急速に拡大しています。
弊社でもデモ機を体験し、2021年には実際に導入しました。今後もこうした新しいプロセスを取り入れ、より高精度な溶接サービスをご提供してまいります。

フロニウス溶接機TPS/i
よくあるご質問(FAQ)
Q. ダイヘン製とパナソニック製のTIG溶接機の違いは何ですか?
Q. 上村製作所がパナソニック製を採用している理由は?
Q. 初めて導入するなら、どちらのメーカーがおすすめですか?
Q. フロニウス製の溶接機はどんな特徴がありますか?
【まとめ】
ダイヘンとパナソニックは、それぞれ特徴の異なる優れたTIG溶接機を提供しています。用途や好みに合わせて最適な機種を選び、高品質な溶接を実現しましょう。TIG溶接機に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。お客様のビジネスを成功に導くために、最適なソリューションを提供いたします。
溶接のご相談もお任せください。現場のリアルを知る私たちだからこそ、最適なご提案ができます。
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