溶接変形や溶接歪を押える方法があります。作業者必見

07.10.2020 更新

溶接変形や溶接歪を押える方法があります。作業者必見

溶接時の注意点や歪防止策、歪取方法

 

溶接時の注意点や歪防止策、歪取方法につきまして
弊社で実施している事をご案内させて頂きます。

溶接歪

 

溶接残留応力・溶接変形
溶接施工時のいつも悩まされることですね。
まずは材料の特性を熟知することです。

SS,SUS,AL,Tiそれぞれに線膨張係数、熱伝導度など
よく理解すると、変形しやすい材料であるとかが
解ってくると思います。たとえば軟鋼(SS,SPCC)

とステンレス鋼(SUS304)を比較した場合、
線膨張係数が約1.5倍ステンレス鋼が高い数値

なっているため溶接時の変形も大きくなるのが解ります。

 

溶接構造物で、歪まない様に溶接する方法はいくつかあると
思いますが、 溶接変形を
起こさない様に治具等で拘束力を
大きくすればするほど変形は 少なくなりますが、
その分、
溶接部に残留応力が大きくなり溶接割れの発生が 起こる
可能性が大きくなりますね。



残留応力と変形は相反する関係があるのですね。
『溶接構造の力学と設計』には次のようなことが
記載
されています。

参考

『残留応力と変形は相反する関係にある場合が多く、
両者を同時に軽減することはなかなか難しい。
一般に
厚板では拘束を小さくして残留応力の軽減を図り、
薄板構造では変形の防止に重点を置く設計・施工法が取られる』

溶接歪み防止対策

 

溶接により変形した製品は、美観も悪いし、ましてや寸法公差も
出ていないので不適合品となりますね。

そのような状態にならない様、事前に対策を打って作業に取り
掛かりましょう。
一般的には下記のようです。

①材料、形状にあった溶接方法を採用しましょう。
②板金なら溶接個所を少なくできるように曲げ等を採用する。
③溶接入熱を小さくする。
④溶接順序を考える。(中央から自由端に進める)
⑤逆歪み法(あらかじめ材料を逆方向に反らしておく)
⑥治具等で拘束する。
⑦溶接箇所の隙間を少なくする。

③⑥なんかはすぐにでも考えられますね。

溶接変形矯正法(歪みとり)

 

変形を矯正する方法は、施工業者それぞれの技術があると
思いますが、機械的矯正法、局部加熱急冷法
があります。

・プレスやピーニング等で歪みをとる機械的方法
・ガスバーナー等であぶるお灸(関西では『やいと』と呼びます)
線状加熱で歪みをとる急冷法

まとめ

実際には歪み取りは材料に負担をかけるのでなるべく
歪まないような工法を採用するのがベスト
です
設計者、施工者(作業者)とで検討して頂きたいところです。

デメラー社3Dクランピングシステム

現在使っている精密定盤及びクランピングシステムにてかなりの溶接変形が
低減できます。上下左右からの拘束により変形量を予想した逆ひずみなどにより
角変形、座屈変形などが抑えられる事が実証されています。

3Dテーブル輸入元のテンポスさんのサイト

http://www.tempos.tokyo/demmeler_table.html

 

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