自動車分野

A6061 T6 溶接した。

A6061 T6 溶接した。

ブログ更新08.18.2022

ものづくりだより336号
おはようございます。溶接管理技術者の上村昌也です。

熱処理合金のA6061を溶接しました。
A6063 は度々溶接をおこなうのですが
最近依頼が増えてきているのがA6061 です。

熱処理合金でも興味がある材料はA6016です。

文献には次のように記載されたいます。
Al-Mg-Si(6000)系材料はAlにMgおよびSiを添加した合金 であり,

熱処理型の中強度で成形性良好な合金である。

成形性は非常に良いようで溶接接合は特に変わりはなく
A6000系と同じように溶接できるようです。

材料自体はあまり出回っていないようですが
自動車ボディーなどに多用されているとのことです。

私見ですが、文献をよく読みますと、アルミは柔らかいですが
成形時にもろく堅くすればするほどもろくなるので、
成形加工時に柔らかく、後で堅くなるような時効硬化材が
ベストなんですね。

そこでA6016はベークハード性(BH性)焼き付け塗装の熱で
材料が硬化する特性がある材料だそうです。
この材料を使えばプレス時に延性があり、きれいに成形ができて
焼き付け塗装による硬化で降伏点が上がる材料です。

 

ベーク処理ができる材料が自動車業界に標準で使われるようになると
軽量化が可能となりますね。

現在どの車に使われているか不明ですが、初代NSXには
パネルアウター材料にはBH性の高い6000系の時効硬化性材料を
開発し使っているとのことですが、A6016は存在しなかったと思います。

またパネルインナー材料には成形性に優れたA5052 O材を
使用してるとのことです。

 

文献では
圧延用合金となるとJIS規格では6061,6101, 6951合金の
わずか3合金である。

形鋼のA6063に比べ圧延材というと圧倒的に少ないです。
道理で流通が少ないわけですね。

自動車関係のメーカーさんからのA6000系の成形、溶接の依頼が
増えてきています。EV化による軽量化が必要なのですね。
なにせ自動車の総重量に占める割合で電池がかなり重量を
取りますから。

参考
https://www.furukawa.co.jp/jiho/fj114/fj114_09.pdf

https://www.kobelco.co.jp/technology-review/pdf/62_2/013-017.pdf

https://www.goo-net.com/magazine/newmodel/car-technology/64746/


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A6061 T6 溶接した。 A6016 T4 溶接した。

A6016 T4 溶接した。

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