はじめに 希少金属との出会い A3003 H14 t=0.5mm曲げ加工の舞台裏
おはようございます。溶接管理技術者の上村昌也です。『ものづくりだより496号』をご愛読いただき、心より感謝申し上げます。
今回は、私たちにとって新たな挑戦となった材料、A3003 H14 板厚0.5mmの曲げ加工についてご紹介します。この材料、実は一般的な販売店ではなかなか手に入らない、自動車業界では知る人ぞ知る希少な存在です。特定の自動車メーカー様や材料メーカーとの連携によってのみ流通していると聞きます。
そんな貴重な材料を、この度お客様であるメーカー様から支給いただき、弊社で加工させていただく機会を得ました。手に取ると純アルミのような強い光沢はなく、一般的なアルミ合金である5052のような黄色味も帯びておらず、独特の白っぽい風合いを持っています。
A3003 H14とは？ 知っておきたい材質の特性とポテンシャル
A3003は、アルミニウムにマンガンを添加することで生まれた合金です。このマンガンがA3003に優れた特性を与えています。
- 強度：純アルミニウムと比較して約10%強度が高く、薄板でも十分な強度を確保できます
- 加工性：曲げ加工はもちろん、絞り加工や溶接も比較的容易で多様な形状に対応可能です
- 耐食性：純アルミに近い良好な耐食性を持ち、様々な環境で品質を保ちます
そのためA3003は、一般用器物（鍋ややかん）、建築材料（屋根材、壁材、内装材）、アルミ缶、熱交換器、電気機械部品、照明器具など幅広く活用されています。そして自動車業界においても、その特性を活かし、様々な部品に採用されているようです。
光沢等がわかりにくいですが、なんとも言えない色です。どちらかと言うと『白っぽい』です。
光沢等がわかりにくいですがなんとも言えない色です。どちらかと言うと『白っぽい』です
薄さ0.5mmの挑戦 曲げ加工における技術と工夫
板厚わずか0.5mmという薄さは、通常の曲げ加工以上に高精度と繊細な技術を求められます。わずかな力加減のミスが歪みや変形につながります。
弊社では、長年のノウハウと最新設備を駆使し、金型の選定、プレスの微調整、職人の丁寧な作業を組み合わせて高品質な製品を生み出しました。
- 適切な金型選定：材料特性に最適な金型で負荷を最小限に
- 精密なプレス調整：わずかな圧力の差が仕上がりに影響するため慎重に調整
- 熟練職人の技術：材料の状態を見極め、最適な力加減で加工
『熟練の技術と最新設備が、高品質な加工を支えます
品質へのこだわり 目に見えない部分への追求
外観の美しさはもちろん、機能性や耐久性、寸法精度、歪み・変形防止にも徹底的にこだわっています。丁寧な仕上げにより、お客様に安心と信頼をお届けしています。
- 寸法精度の徹底：設計図面に基づく高精度な寸法管理
- 歪みや変形の防止：加工後の変形を最小限に抑える工夫
- 丁寧な仕上げ：細部までこだわった仕上がり
まとめ 希少材の加工もお任せください 上村製作所の挑戦
A3003 H14 板厚0.5mmの曲げ加工を通じ、私たちは新たな経験と技術を積むことができました。希少な材料や難加工品であっても、お客様のニーズに応えるために常に挑戦し続けます。板金加工、溶接に関してお困りのことがございましたら、ぜひ一度、株式会社上村製作所にご相談ください。確かな技術と誠実な対応でお客様のビジネスをサポートいたします。お問い合わせをお待ちしております。
株式会社上村製作所
[電話番号]075-982-2931
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