アルミニウム及びアルミニウム合金の溶接材料
07.10.2020 アップデート(JIS Z 3604表追加)
アルミ合金材料
1000シリーズ
一般に純アルミと呼ばれる材料で溶接材料としては
A1070,A1100などが用いられる。
溶接施工時の注意点としては熱伝導性が優れるため
他の種類の材料よりも若干低めの電流値で施工するのが
ポイント。陽極酸化皮膜処理(アルマイト)をすると
非常にきれいに仕上がる。
2000シリーズ
銅のほかマグネシウムやマンガンなどを含む合金。
ジュラルミン、超ジュラルミンと呼ばれている。
溶接施工時はクラックが入りやすいので注意が必要です。
また溶加棒の選定ではA4043,A4145,A4045,A4047,A2319
などがあげられます。4043,4045,4145,4047の違いは
シリコンの含有量により識別されています。(5%~13%)
これらの溶接材料は市場での調達が困難で一般的に流通しているのは
A4043でしょうか。ついてればOK状態なら使われているそうです。
しかし強度が必要な場合はA2319を用います。JIS Z 3604 でも
推奨しています。温度管理をしっかりとしA2319を用いると
問題なく溶接ができます。
3000シリーズ
非熱処理合金で純アルミよりやや強く溶接性がよい。
溶接材料にはA5356,A4943を用い用途によりA4047Aを用いる。
5000シリーズ
5052が代表的な合金で中程度の強度をもち最も広く使われている。
5083はMg含有量が多い合金で非熱処理合金としては
最も優れた強度を持ち溶接性も良好である。
同業者が船のデッキによく使われているといっていました。
溶接材料にはA5356,A5183などがあげられます。
JIS Z 3811アルミ溶接技能検定には母材に5083、溶接材料には、
A5183で検定試験が行われています。
6000シリーズ
熱処理合金で押し出し材、形材などに使われていて強度もある。
6063などがアングルやチャンネルなど構造物に使われている。
レアなケースではA6061も溶接が非常に優れています。
溶接材料にはA5356を用いる。
7000シリーズ
アルミニウム合金中最も高い強度を持つ亜鉛系合金とCuを含まない
溶接構造用合金に分かれる。熱処理合金としては優れた継手効率が
得られる7N01,7003が溶接構造用材料として鉄道車両、
オートバイフレームに用いられる。
溶接材料としてはA5356,A5183を使用する。
まとめ
以上、溶接材料の選択にはJIS Z 3604に示されている表を
用いて組み合わせを適用しましょう。組み合わせを間違えると
溶接部の割れが発生したり機械的強さが目標通りに出なかったり
耐食性に劣るので注意が必要である。
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